オリンピックと日本人としての誇り……?

2020年のオリンピック東京開催が決まって世間ではお祭り騒ぎらしい。
お祭り騒ぎがあまり好きではない上に、オリンピックなんて子供の頃にぼんやりとテレビで見た程度で、全く興味がない(昨年のロンドン五輪も1秒も見なかった)自分としては大きいイベント開催に伴うもろもろの規制や制限を予想してうんざりするだけだ。そういえば日韓ワールドカップの時も1秒も見ないままいつの間にか終わってたな…。


そして不思議なのは、お祝い気分の人達の発言を眺めていると、結構な割合で

一人の日本人として、東京で五輪開催ができることは誇りに思いますし、やると決まったからにはイベントを成功させて、息子たちや孫たちに50年後の将来「父ちゃんの時代は五輪やったんだぞ。お前はやんのか? 招致すんのか?」と迫れるようにしたいと思っています。
日本人として、東京都民として、東京五輪を開催するにあたって(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース


といった、日本人として、あるいは東京都民として"誇りに思う"という言説を見かけたので驚いた。いったい彼らはオリンピック開催のどこらへんに誇りを感じているのだろう。
例えばこれが、オリンピック初開催の途上国だったら上記のような「誇りに思う」という人が多数いても不思議には思わない。国際イベントの中でもオリンピックの規模の大きさは桁違いなので、インフラや治安などの水準が世界に認められたということであり、「我が国もようやく世界に認められるレベルになった」と喜ぶ国民が多いだろうと想像可能だ。きっと前回の東京オリンピックが行われた1960年代当時の日本人もそういった気分であっただろう。


しかし現在の日本でオリンピック開催と言われても、「そりゃ、やろうと思えばやれるだろうさ」という程度なので、途上国の人ような感慨は持てない。物心ついた時には既に経済大国だったし、日々の仕事だって糞みたいなもんなので、自分自身がこの国の発展に寄与して来た実感がない。だから自分の場合は"誇り"なんて持ちようながないのだ。
そりゃまあ、切り込み隊長みたいな人なら日本経済を支えてるという実感をリアルに感じられるのかもしれない*1が、ネットで誇り発言をしてる人達が全員資産階級とも思えないのよね、だから不思議。


あと自分は知らなかったのだけど、ここらへんはてブの反応を見ると、どうやらオリンピック誘致でウヨサヨが争っていたらしくお互い仮想敵にヘイトをまき散らしていて笑った。まあ、彼らはトム&ジェリーみたいなものなので、何でも喧嘩のネタにできるのだろう。
自分としては、開催が決まったからにはせめて最大限の経済効果が得られますように最小限の赤字で済みますように*2、なおかつアホな浄化運動で俺の趣味が邪魔されませんように、と願うだけだ。(俺は何もしないけど)関係者の方達には頑張っていただきたい。大会が無事成功すればあなた達にはそれを誇る権利がある。ただしバカな浄化運動は勘弁な、しつこいけど。

 

*1:オリンピック関連の株や不動産でウハウハなんだろーな、というのは置いとくとして

*2:オリンピックの経済効果なんて赤に決まってんだろバーカ、という研究結果があるらしいので訂正